Tenor Tuba | G Tuba | Contrabass Trumpet | Cimbasso | F Tuba | D Tuba | Bass Horn | Contrabass Trombone
 
Alexander Tenor Tuba 151 in Bb

1960年代後半、私の長年の友人であるトミー・ジョンソンは、アレキサンダーのテナーテューバを所有していて、その楽器の有効性を早くからわかっていた。特にラベル編曲の「展覧会の絵」に出てくる「ヴィドロ」には最適に思えた。

この楽器を見、聴き、演奏した私は旅行中にフランクフルトにあるアレキサンダーの工場を訪れ、151テナーテューバを注文した。T.ジョンソンと私の楽器はとてもよく似ているが、私の楽器はロサンジェルスで5番バルブを付け足したことだけが異なる。この5番バルブ(バルブと管)の部品はアレキサンダー製で、加工作業はホルン制作者であり金管修理工のGeorge Strucelによって行われた。

ヴィドロ以外では、ロサンジェルス交響楽団やハリウッドのテレビ・映画の録音にこの楽器をよく使用した。この楽器はクリスタルレコード126「プルーン」に録音されているバッハ「G線上のアリア」でも聞くことができる。

Strucelはこのテナーテューバのためにとてもいいマウスピースを制作した。このマウスピースはテューバのリムなのだが、カップはテナー楽器に合うようにかなり浅く設計されている。このマウスピースのコピーはヤマハ、Bobo TTモデルとして発売されている。

テューバ奏者がテナーテューバを使うのは、トランペット奏者がピッコロトランペットを使うのによく似ている。

現在このテナーテューバは私の長年の生徒であり友人のJames Manganaroが所有している。

 

 
     
 
Miraphone Tuba in G

1950年代中頃、ミラフォーンはまだ新しい楽器であり、ロサンジェルスのLockie Music Exchangeによって輸入されていた。ミラフォーンがGテューバを作っているという噂があったのだが、その時たまたまLockieに置いてあった。しかし誰も興味を示さなかった。

1964年、私はアムステルダム・コンセルトヘボゥ交響楽団での2年間の演奏を終え、ロサンジェルス交響楽団在籍25年の最初の年を迎えていた。この頃私はいろいろな曲に最も適した楽器をいつも探していた。これはオーケストラのトランペット奏者の多くが曲に合わせて多くの調整の楽器を持っているのに似ている。このアプローチはとてもうまくいっていると思うのだが、それならなぜテューバ奏者は行わないのだろう、

オーケストラのテューバ奏者が必ず考えなければいけない問題の一つは、ベルリオーズの曲を演奏するのはどの楽器が正しいかということだ。問題は元々オフィクレイドのために書かれた高い音域を出せるかどうかではない。本当のチャレンジは、現代のオーケストラサウンドに合わせながらどうやってオフィクレイドの音色に近づけるかということだ。

ベルリオーズの作品を演奏するのに最も適した楽器を探す内に、50年代に聞いたGテューバの噂を思い出した。そこでLockie Music Exchangeに問い合わせたところ、次の日にギフトとしてプレゼントされた。

Gテューバを吹くには適切な勢いが必要であり、トロンボーンと解け合いやすい。特にトロンボーンの音色の中にフィットすることが重要である。私は普通のFテューバはトロンボーンセクションを包んでしまう傾向があると思う。

ミラフォーンがなぜGテューバを制作し、そしてLockieのところにあったかを説明するのは難しい。ミラフォーンにはそのような楽器を作った記録がないのだ!可能性としては、当時のドイツ軍楽隊のFテューバとして使用するため作成した、ということだろう。当時のドイツ軍楽隊は輝かしい音色にするため通常よりも半音高い音程に合わせていた。それはF#の楽器を意味する。推測するには、楽器のサイズが小さくF#というキーのため、Gのキーに変更した後使用されなくなりしまわれてしまったのだろう。

私が日本へ越したとき、この楽器は昔の生徒であり、武蔵野音大での最初のクラスをアレンジしてくれた佐藤潔氏にプレゼントした。

 
 
Strucel Contrabass Trumpet in F

1967年、私はロサンジェルス交響楽団の若いメンバー、Tom Stevens、 Mario Guarnieri、Miles Andersonらと共にロサンジェルス・ブラスクインテットを立ち上げた。レパートリーの中には、ガブリエリの4声のカンツォンやペッェルの5つのダンスも含まれていた。いつものように私はこの時代の音楽にフィットする楽器を探していた。まずCテューバを試し、F管をを試したが満足せず、コントラバストロンボーンもフィットするとは言えなかった。そんな時、Miles Andersonはこの曲を演奏するためトロンボーンを選ばずに、よりトランペットと同質の音色がするバストランペットを選んだ。それを見た時、私が何をすべきかがすぐにわかった。答えは明白にコントラバストランペットだった。

私はGeorge Strucelに相談し、数ヶ月後楽器が完成した。

ベルはBachのバストロンボーンのベルを使用した。左手親指を使うロータリバルブやバルブ管もBachの物を使用した。それ以外の部品はLockie Music Exchangeに保存されていた使用していない楽器の物を使用した。

例えば3本のバルブはとても古いEbアルトホルンのバルブを流用した。マウスピースは次の年、Reynold Schilkeが作成した。この楽器もコントラバストロンボーンのように私にプレゼントされたと言えるだろう。George Strucelが部品代以外にこの楽器をデザイン、作成するために請求した額はたった$125だった。

この楽器はロサンジェルスブラスクインテットのレコード(クリスタルレコード)で聞くことができる。

現在この楽器は、私の前の生徒でありスイス・ローザンヌ在住のテューバ奏者、Serge Grosが所有している。

 
Minick Cimbasso in F

このチンバッソは1984年、Larry Minickが私のために作成した。オリジナルはEb管だったが、楽器をテストし、イタリアオペラを研究する内に、F管が合っているということで私とMinickの意見は一致した。

チンバッソは80年代後半ロサンジェルス交響楽団やハリウッドのスタジオでよく使用された。'90年と'91年、私はMaggio Musicale in FlorenceによるIl Trovatoreとトスカの録音に使用した。その時ズービン・メータはこの楽器を絶賛し、ロサンジェルスにいるLarry Minickに個人的に電話をし、Maggio Musicale Orchestraのために同じ楽器を注文したほどである。しかし彼は楽器作成からちょうど引退したところであったため、この仕事は断った。

私がこの楽器の所有者であるが、現在はLance Nagels of the Quebec Symphonyのテューバ奏者のところにあり、売りに出されている。

 
Yamaha 622 Tuba in F

この金メッキのテューバは私の監修の元、1990年にフランクフルトヤマハのThomas Lubitzによって作成された。1989年、私は研修休暇のためロサンジェルスを離れたが、その後戻らない決断をした。そして数カ所の展示会で試したヤマハを使用することにした。

この楽器は621シリーズとほとんど同じ形をしているが、人間工学的により演奏しやすくできている。2000年、この楽器のために大きなベルも用意され、音色により2つのベルを交換できるようになった。

1990年から2000年の録音ではこのテューバを使用している。この楽器(622BL)はヤマハが現在も受注生産している。

ヤマハ821 Fは私の前の生徒であり、イタリアのテューバフォーラムサイトを作成しているイタリア人のMauro Cadeiが所有している。

 
Miraphone / Besson / Minick Tuba in D

Miraphone CC 184 5Uは素晴らしい楽器だった。しかし、小回りがきき、歌いやすく、鳴りも良かったのだが、オーケストラの低音を支える音の質量がないことは明白になってきた。私は可能な限りこの楽器を使っていたのだが、使用する機会は次第に減ってきた。1972年、私はLarry Minickに依頼してMiraphone 184 のベルをBesson Eb Imperialのベルに付け替えた。これは完璧にフィットした。ただ、このことによって音色は豊かになったのだが、まだ理想的なシンフォニーテューバとは言えなかった。このBessonのベルを付けたCCテューバはWilliam Kraft Encounters II for solo tubaで使用し、その後7〜8年使用されなかった。

1978年、私はこの素晴らしい楽器を使わないで置いておくよりもDテューバへ改造しようと考えた。これは私が時々考えていたことなのだ。Larry Minickはすぐに作業に取りかかり、Dテューバは2ヶ月ほどで完成した。この楽器は素晴らしいCCテューバであったが、より優れたDテューバとなった。184はCCテューバとしてはかなり小さい楽器だったが、Dテューバとしてはちょうどいい大きさだった。

この楽器はあまり使われることがなかったが、ブラームス交響曲第2番やドボルザーク8番にはとてもよく合っていた。

現在このDテューバはTubaNews.comの編集者で、RogerBobo.comのウェブマスターであるRose Schweikhartが所有している。彼は室内楽で毎週この楽器を使用し、弦・管楽器とよくブレンドさせている。

 
Strucel / Minick Bass Horn in CC

このバスホルンは想像力の過程で実現した楽器である。コントラバストロンボーンやコントラバストランペットを作った私は、バスホルンも理論的に可能であると信じていた。1970年に私はこのアイデアをHoward Lockieに提案した。そしてベルやバルブ管、5つのロータリーの部品、数枚のニッケルシルバーの地金がロサンジェルスに届き、それはすぐにGeorge Strucelの手に渡った。Strucelはこの楽器を作成するための設計図をすぐに書き始めた。しかしこの計画はその後6年間中断した。Strucelはスウェーデンに仕事場を移し、私は現代音楽に集中したためバスホルンのことを一時的に忘れていたのである。結局私はStrucelが作成した計画と部品をLarry Minickに渡すこととなった。そしてしばらくして楽器は完成したのである。初めてこの楽器を吹いたときすでに音程はほぼ完璧で、全ての音域の音色が均等だった。数週間演奏してみて、この楽器はとても素晴らしい楽器だということは明白になった。しかしたった一つの問題、「一体どこで演奏するのか?」

この楽器はシングルのCCホルンで、左手の5本バルブである。5番バルブは私の他の楽器と同じく約2全音下、言い換えると2-3バルブを使った運指の少し高めである。

 

しばらくしてこのバスホルンは数本の映画音楽に使用され、スコアにその名前が載ることになる。しかしこの楽器が最も知られることになるのは私の友人であり作曲家のRoger Kellawayの作品、Dance of the Ocean BreezeとSonoroである。この曲はホルンとのデュエットで、1981年にノルウェーのホルン奏者、F. R. Wekreとの共演でクリスタルレコードで録音している。私がロサンジェルスいた最後の数年間、ホルンパートの下を演奏するような曲で私はこのバスホルンを使用した。そしてとてもいい結果を得られた。

2004年、この楽器はテキサス州オースティンへ運ばれ、賞を受けると共にMike Lynchのコレクションに加えられた。

 
Conn Contrabass Trombone in BBb

この楽器は1909年以前に作成された。詳細がわからないのは、1909年に起きた火災によりコーン社のそれ以前の記録が消失してしまったからである。わかっているのはコーンはコントラバストロンボーンを2台作ったということ。1台はコーン社の楽器博物館に、もう1台は私のコレクションにある。コーン社の博物館にある1台は両方のスライドの口径が同じシングルボアである。この楽器はとても詰まった音色でほとんど演奏不可能である。しかしボボコレクションの楽器はダブルボアで、最初のスライドは現代のバストロンボーンとほぼ同じ、そして次のスライドは1/16インチ大きく作られている。その結果息が入りやすく、美しい音色となった。この楽器は1954年、当時のNYフィルのテューバ奏者William Bell氏が所有していた。1958年、私はイーストマンの学生であり所属していたロチェスター交響楽団のあるロチェスターからニューヨークへ行き、William Bell氏のレッスンを受けた。私はまだ目にしたことのないコントラバストロンボーンに魅力を感じていたため、彼にそのような楽器はどこで手にはいるか尋ねた。彼はカーネギーホールの楽屋にある彼のロッカーへ行きコントラバストロンボーンを取り出したのである。私がその楽器を試して数分後、彼は私にその楽器を$450で譲ってくれた。1958年当時、その値段は安いというよりプレゼントに近かったのである。

 

ロチェスターに戻ってから数ヶ月後、フィラデルフィアオーケストラが演奏旅行で訪れた。20際だった私はフィラデルフィアのテューバ奏者Abe Torchinsky氏に会い、彼にこのコントラバストロンボーンを見せる機会があった。すると彼はとても動揺し、困惑したように見えたため私はどうしたのかと尋ねた。彼の話では、そのコントラバストロンボーンはわずか4年前にTorchinsky氏がWilliam Bell氏にクリスマスプレゼントした物だったのだ!

しばらくしてTorchinsky氏はこの楽器は元々自分の楽器ではなく、フィラデルフィアの楽器庫で見つけた物なのだと教えてくれたのだ!

この楽器のダブルスライドは大変重く、特に6,7ポジションでは動きが遅くなるという問題があったが、1960年にF管を付けることによって解決した。

この楽器は現在ピッツバーグシンフォニーの名バストロンボーン奏者、Murray Creweが所有している。